17回 国際AIDS会議(Mexico City)+α 報告会

2008年10月11日(土)

すぺーすアライズ

麻鳥澄江 鈴木ふみ

allies@crux.ocn.ne.jp

                 文京区民センター(3C会議室)にて

 

エイズ会議報告(5分)

概要

国際AIDS会議2008、メキシコ・シティは、190以上の国から24000人を超える参加があった。そしてラテンアメリカで初の国際AIDS会議だった。会議全体のスローガンは「Universal Action Now(どこからでも、今、活動を)」だった。このスローガンは、HIV/AIDSへの世界規模の対応で今もなお続く緊急性と、それゆえ、すべての関係者の行動を求めることを強調するものであった。

前回2006トロント(第16回)では、新規医薬技術関係、国際的なアドボカシー、MSM(男性と性行為する男性)、 IDU(注射による薬物使用者)、先住民、移民関係の話題が多かった。Microbicideをはじめとする新しい技術について活発で楽観的な議論が多かったという印象であったが、この間の数々の臨床実験の失敗を受けて、前回トロントと比べて話題として小さくなっていた中、もともと何もないところから始まったので悲観することはないと、第二世代への期待、女性主導の予防技術の必要性が確認された。

また、前回トロント会議では、ユニバーサル・アクセス(誰もがどこでも予防、治療、ケア、サポートを利用できるようになること)については具体的な行動の道筋までは示されなかったが、今回の会議(第17回)では、スローガンもUniversal Action Nowとなっているように具体的なActionを切実に求める内容が多かった。新規ターゲットになったことを踏まえ、今回の会議では2010年までの予防、治療、ケア、サポートへのユニバーサル・アクセスの実現のためには、スティグマ(社会的烙印・汚名)やジェンダー不平等を含む人権無視やその結果としての暴力、差別、恣意的な訴追などが効果的な治療と予防の大きな障壁になっていることが確認された。とくにセックスワーカーやセクシュアル・マイノリティ(男女区分による異性愛以外の人たち)をはじめとした周縁化された人たちの人権保障が力強く謳われた。


国際保健の目標達成は、人権侵害、ジェンダー不平等と

スティグマ(社会的烙印)によって阻止されている。

今回の会議では、HIV/AIDSの課題に取り組むにあたっての人権の視点が強調された。ちなみに、2008年は、世界人権宣言60周年である。日本政府の立場としての、人間の安全保障の重視とも重なり、世界では控えめな目標に過ぎなかったMDGs(ミレニアム開発目標、21世記を記念して国連で合意された世界が貧困解決のために、原則として2015年までに到達すべき中間点、その目標の中には、HIV/AIDSだけでなく、ジェンダー平等や妊産婦の健康改善なども含まれているが、妊産婦の健康改善分野では進捗が極めて遅れている。)を超えていくことも目標にされはじめている。

 

17回国際AIDS会議ではスティグマや人権の否定、ジェンダー不平等がHIVの治療や予防を広げていくのにきわめて大きな否定的な影響を及ぼし続けていることに焦点を当てるようになった。暴力被害、差別、恣意的な訴追を恐れて、HIV陽性者や感染のリスクが高い人たちは、検査や治療に行くことができないことが多く、それゆえそうでない人も感染のリスクにさらされたままである。

Pedro Cahnさん(International Co-Chair of AIDS 2008 and President of the International AIDS Society and Fundacion Huesped in Buenos Aires, Argentina)は「感染拡大の矢面に立つ人たちの声は、今週ここメキシコ・シティで大きく、はっきりしていた。もし、世界がHIVの影響を受けるすべての人の人権や尊厳を保障しようとしないならば、普遍的アクセスが達成することはないだろう。」と語った。

また、Dr. Luis Soto Ramirezさん(Local Co-Chair of AIDS 2008 and Head of the Molecular Virology Unit at the Instituto Nacional de Ciencias Medicas y Nutricion Salvador Zubiran and Coordinator of the Clinical Care Committee of CONASIDA, Mexico’s National AIDS Council)は、「もっとも高いリスクにさらされている人たち、たとえば注射による薬物使用者、男性と性行為をする男性(MSM)、セックスワーカーだけでなく、女性たち、若者たち、は、単に患者や予防の客体と捉えられるべきではない。彼女たち/彼らの体験や貢献は効果的なプログラムの開発や実施の中心に据えられるべきである。普遍的アクセスに向けて闘うならば、きっぱりとすべての人の命が尊敬に値するという理念の実現のために積極的に取り組まなければならない。」と語った。

最終の全体会での発言者は、公衆衛生と人権の関連性を強調した。また、HIVと結核への取り組みの関連性についても語られた。

 (Official press release [8 August 2008])

 

「人権の実現という目標は世界規模でAIDSと闘うためにはきわめて基本的なことである。史上かつてないほど急速かつ広範囲の驚異的な感染拡大にさらされているこの世界で、AIDSの拡大に打ち勝つことは、人権の享受の前提である。」?Dr Peter Piot, UNAIDS Executive Director

普遍的アクセスは、人権に正面から取り組まない限り実現されないだろう。

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女性、陽性者、セックスワーカー、MSM、トランスジェンダー、若者、在監者、薬物使用者の人権保障、渡航制限問題の解決などなどの人権課題が活発に議論された。

 

 

 

女性の権利は人権である。

AIDS感染についての25年以上の歴史の中で、ジェンダー不平等は、HIV/AIDSの拡大と影響にとっての重大な要因であるままである。それゆえ、女性の権利やニーズに促され、対応した運動展開や行動がこれまでなされてきた。今こそ、すべてのレベルでの対応での女性の完全参画、女性による女性についての実態や原因の調査、女性にとって効果がある予防の展開の道筋、ケア・治療・サポートへの普遍的アクセス、HIVとsexual and reproductive health and rightsの統合、ジェンダーに基づく暴力に取り組むための革新的展開、女性の人権を擁護し支持する法律や政策の推進、がなされるべきである。 

 (All women, All rights A 2008 delegates’ guide to women and AIDS)

 

 

 

 

 

Women & Girls’ Rally and March 「すべての女に すべての権利を!」

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Women Responding to AIDS

世界各地からの女性活動者が、メキシコ・シティの繁華街のHemiciclo a Juarezに集結し、「すべての女性に、すべての権利を」と、メキシコ・シティの中心広場であるZocaloまで練り歩いた。コミュニティのリーダー、公務員、歌手のAnnie Lennoxのような著名人もこのデモ行進に参加した。

 

女性の参画こそHIV解決の鍵である

Zonibel Woods (Canada)さんは、性と生殖に関する健康への権利を保障し、女性団体に資金を拠出する重要性についての要点を述べた。そうすることによって、女性たちが自分の人生に影響及ぼす決定に効果的に参加できる。政策や予算措置は、リプロダクティブ・ヘルスサービスを全面的に支えるべきで、その中には、良質の妊娠・出産のケアや避妊方法へのアクセスが含まれる。さらに、 研究や技術への投資は女性が自らの力で予防できるようにするものであり、これまでと同様に重要である。まとめとして、Woodsさんは、世界基金(Global Fund to Fight AIDS, TB and Malaria)がジェンダー変革プログラムに投資するという決断に歓迎の意を示した。しかし、彼女は、その成功は、国の政策の優先順位を決めるに当たり女性組織が関与できるか、と提言調査委員会でジェンダー平等と女性のエンパワメントの資金計画に専門者を巻き込めるかにかかっていると強調した。   

(Zonibel Woods (Canada) of the Ford Foundation)

 

昨秋の「世界基金(グローバル・ファンド)」の理事会では、ジェンダーに敏感な対応を広げるという方針を発表したが、現在、ジェンダー平等のための方策の作成が進んでおり、グローバル・ファンドがジェンダーの視点をより明確に示すことが期待される。

 

女性のエンパワメントとジェンダー平等実現のための投資は、HIV感染拡大を反転させるために重要である。女性と女児への投資の中でも、彼女たちに適切なサービスを届け、平等の機会を保障する組織への柔軟で適切な投資は重要である。                Session Sponsored by World YWCA)

 

 

 クリントン元米大統領(民主)は、女性の劣悪な経済状況は、ジェンダー不平等とともに改善されないまま広がっており、まさにHIVの予防、治療、ケアとサポートへの普遍的アクセスを妨げている。女性たちは、感染拡大によって身近な人のケアというすでに大きな負担強いられており、差別がこれに追い討ちをかけることは許されないと述べた。彼は、「だからこそ、女性のための国連の新機関を創設しようという国々の提案を支持しようと決断したのだ」と締めくくった。               (Global Voice 5/08/2008)

 

Sexual and Reproductive Health/Rights

2006年6月国連特別総会(UNGASS)で、参加国は、「HIV/AIDSとsexual and reproductive healthの結びつきと調和させた、政策とプログラムを強化する必要がある」と宣言した。

ほとんどのHIVの感染は、性交渉時か、妊娠、出産及び授乳時に起きている。

貧弱なHIV対策もリプロダクティブ・ヘルスサービスの状況は、ジェンダー不平等、社会の中での周縁化、性差による暴力や早年婚など、その根源は同じところにある。リプロダクティブ・ヘルスサービスに関する仕事をする人たちは、いまや新規感染者の半数を占めるとされる女性たちにさまざまなサービスを提供している。リプロダクティブ・ヘルスサービスは、次第に広がり、支援は若者や男性にも向けられているが、感染の中心世代により多く届くべきとの認識が高まっている。リプロダクティブ・ヘルスサービスとHIVに関するサービスの双方の関連性は、HIVの予防、ケアや治療への普遍的アクセスの機会を増加させ、とりわけ、しばし忘れられがちな権利やHIVとともに生きる人たちのリプロダクティブ・ヘルスに対応している。 (Session Sponsored by WHO, UNFPA, IPPF)

 

リプロダクティブ・ヘルス/ライツとHIVの強い結びつきは、リプロダクティブ・ヘルスとHIV双方の結果にとって、妥当性があり効果的で、プログラムや政策策定のはずみとなるだろう。(Session Sponsored by UK Network on Sexual and Reproductive Health & Rights Working Group on SRH and HIV Linkages)

 

・・・リプロダクティブ・ヘルスサービス、HIV/エイズやその他の重要なサービス、たとえば、子どもの健康や結核の治療、統一化されながらも多様性を含む、HIVとエイズへの対応の増加などに対するアプローチの重要性はいまだに喚起されていない。

いくつかの二国間協定や基金を除き、HIVや性と生殖に関する健康への資金拠出者であるドナーによる資金拠出のいくつかの政策は、保健システムの強化や結びつきを活発にすることに大きな妨げとなっている。

・・・このセッションでは、資金供出のメカニズムがどのようにして性と生殖に関する健康とHIV間の相乗的なつながりを作るか、また、統一化されながらも多様性を含むHIVとエイズに対して、この深刻な問題を乗り越えるために何をするべきかが求められているのかについて前向きな事例を探っていきたい。

(Session Sponsored by Engender Health, UNFPA, IPPF, WHO, GTZ)

Integration of Sexual and Reproductive Health and HIV/AIDS Into Global Fund (Country Coordinated ) Proposals

女性に対する暴力 Achieving Zero Tolerance

多くの女性にとって、性差による暴力とは、平和なときも争いのときも実際に存在するものである。

ドメスティックバイオレンス、性虐待、人身売買や誘拐、レイプは戦争時の戦略とされている。                   (Thoraya Ahmed Obaid, Executive Directors of UNFPA)

 

HIVの予防や治療の強化という同じ目標をもつSADC(南部アフリカ開発共同体)のリーダーたちは、夫婦間のレイプを含むドメスティックバイオレンスの影響が、世界的な疫病と戦うためのいかなる努力も台無しにすると認識すべきだ、と述べた。              (By Nada Ali, Human Rights Watch)

 

・・・女性たちがHIVへの治療に結びつけない理由は、パートナーからの暴力に対する恐怖によるものもある。

 

女性に対する暴力がある限り、禁欲は無意味であるし、男性と交渉できる関係がなければコンドームを持っていても意味をなさず、感染は抑えられない。

 

陽性者のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(ICPD8.29(b))

母子垂直感染予防(pMTCT)

現在、妊娠したHIV陽性の女性の33% がHIV垂直感染予防のための薬を受け取っている。2年前からは14 %増加しているが、まだわずか33%にすぎず、恥ずべき状態である!

過去数年で前進が見られたものの、国連総会の推算では、わずか34%の妊娠女性のみしか、HIVの母子感染予防のサービスを受け取っていない。同様に、ART(抗レトロウィルス治療)が必要な子どものわずか10人に1人しか行き渡っておらず、HIVに感染した子どものせいぜい25人に1人しか日和見感染予防のためのコトリモキサゾール治療を受けられていない。

(Session Sponsored by Elizabeth Glaser Pediatric AIDS Foundation)

 

感染のリスクを減らすための抗レトロウィルス治療を利用しているHIV陽性の妊娠女性の割合は、2004年の10%から、2006年の23%まで増加した。このような著しい増加にもかかわらず、UNGASS(国連特別総会)が定めた2010年まで80%普及という目標には程遠い。

弱い保健システム、HIVについて恐怖とスティグマ(社会的烙印)、男性パートナーからの協力を含む身近な関係や地域の総動員ができていないこと、母子感染予防対策と妊産婦・新生児・乳幼児のケアの統合が不充分であることは、ユニバーサル・アクセスの達成を妨げている。

 (Session Sponsored by World Health Organization, UNICEF, Interagency Task Team on Prevention of HIV Infection among Pregnant Women, Mothers and their Children)

 

 

中絶を強要されない権利と、安全な中絶へアクセスする権利

たとえば、チリでは、HIV陽性女性に対する強制不妊化がなされ、ケニアでは、HIV陽性女性がリプロダクティブ・ヘルスケアが利用できない。

HIV陽性女性たちは、緊急避妊、安全で合法な中絶サービスや流産や安全でない中絶後のケアを利用できる必要がある。

1994年カイロ行動計画以前の状況がHIV/AIDSの世界では起きている。

 注 @現在、USAはUNFPAのみならず、このような課題に積極的に取り組んできたマリー・ストープス・インターナショナルの家族計画への資金の拠出も拒否しようとしている。

  A日本では、HIV陽性者のカップルの生殖医療の利用について議論が本格化している。

 

 

HIV感染の犯罪化は、

命を犠牲にし被害を増やすだけでAIDSの影響を減らせない。

HIV感染を減らす法律の実施という幻想の下、他人に自分のHIV感染状態を告知せねばならず、HIV感染を犯罪として処罰するという国があり、アフリカには母子感染も犯罪とする国もある。しかし、このような法律が、HIV感染の危険を実際に減少させるなどという証拠はどこにもない。種々の人権団体が報じているように、このような訴追はすでに差別されている人たちに、追い討ちをかけているだけである。それゆえUNAIDSなどの国際機関による介入が必要とされているのである。

           (Global Voice 2-3/08/2008)

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渡航制限の撤廃

“travel渡航・旅行”というと、休暇をとってスーツケースを荷造りして出かけるのを意味することが多い。しかし、HIVに関連した“travel restrictions渡航制限”という言葉を変えようという国際的な運動がある。その制限は旅行そのものではなく、入国したり、滞在し、居住することに関するものだからである。なんらかの差別的な渡航制限を設けている国は世界中に約67カ国もある。(Global Voice 6/08/2008)

陽性者の人権について、今回のG8サミットでの国際保健に関する洞爺湖行動指針でも取り組みの必要性が確認され、やっとアメリカ合州国で撤廃されることになった渡航制限という人権侵害や、感染拡大の防止にもつながらないのに母子垂直感染を含めたHIV感染を犯罪化するという問題について、人権の視点からも議論がされた。

 

Microbicide マイクロバイサイド(資料参照

2006トロント会議では新医療技術がキーワードであったが、その後、臨床実験の失敗が続いた。しかし、女性主導の技術は引き続き必要であり、第2世代の新薬の開発も進んでいる。

臨床的開発中の膣内薬microbicideを含むARTの研究、暴露前予防、試行中・計画中の試験の現状、経口・局所PREP普及などの新課題も話題になった。                   (7/08 Session)

 

私たちは、Microbicidesの開発のアドボカシーを続けるとする、「ワクチンとマイクロバイサイド。私たちはここからどこに向かうのか?」というシンポジウムの中で、活動者や専門者は提案し、世界中のあちこちでなされている臨床試験の可能性と限界を示した。たとえば、アフリカでは、その開発は女性に焦点が当てられている。現在、15歳から49歳のHIV陽性者の半数以上が女性である。

Zeda Rosenberg(American physician)さんは、ウィルスに対して効果が高い抗レトロウィルス剤に基づく新世代のマイクロバイサイドへの強い期待を語った。新世代のマイクロバイサイドは、単独治療でも、HIV予防のための混合治療として使用できるだろう。Tenofovir、DavipirineやMaravirocなどは膣内でのHIVテストがなされている。膣内リングやジェルもまた実験され、女性向けの予防のための選択肢を増やしている。「女性たちにマイクロバイサイドは今すぐ必要とされている。」と述べ、M. Chatani(ガーナの活動者) さんは、これに同意し、これらの新予防技術の開発を守るためにガーナでの活動がほとんどないことへの懸念を示した。「私たちは臨床試験に参加することを求める声をあげるべきであり、不可視性をなくしていく。」と彼女は主張した。                      (Global Voice 5/08/2008)

 

PEPFARUへの評価

AIDS会議の前週に、HIV/AIDS、結核、マラリア対策に5年間で合計480億ドルを投入するという米国のPEPFAR(大統領緊急エイズ救援計画)Uが発表された。

しかし、単純な歓迎だけではない。HIV陽性女性、女性のセックスワーカー、薬物注射利用女性、婚姻している女性、若い女性たち、監獄にいる女性というさまざまな女性たちからHIV予防を検討したとき、どのようにみえるのか。

エイズ会議直前に発表されたPEPFARUでは、5年間で480億ドルの投入が発表され、予防についての資金の3分の1は禁欲教育に当てなければならないという(非現実的な)制限は撤廃され、またHIV陽性者の米国への入国禁止措置の廃止という前進も見られた。しかし、セックスワーカーの人権と健康に矛盾する反・売春政策、リプロダクティブ・ヘルス/ライツと矛盾する「グローバル・ギャグ・ルール」(妊娠中絶の情報やサービスを提供する団体には資金を与えないという政策)の維持、予防方法になるか疑わしいABC(Abstinence禁欲, Be faithful貞節 ,Condom)の維持などへの批判的な検討と今後のアドボカシーについての議論もなされた。

 

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セックスワーカー Sex Workers: 問題の対象ではなく、解決の一部である。

セックスワーカーたちは、自分たちの基本的人権の認識を確立し、尊重を勝ち取ることを実現しようと挑戦している。                                                (Global Voice 2-3/08/2008)

 

「私たちは、私たちの人権の尊重の視点に立った、適切な政策や対応を求めている。」「警察は、売春宿に踏み込んで、女性たちを逮捕した。このようにして、性産業で働くことは、秘密になり、不可視化された。結局、そのことで女性のセックスワーカーの立場がより弱くなっただけであり、米国やオーストラリアなどの国に移住した。」とキム氏は説明した。                        (Global Voice 8/08/2008)

 

Elena Reynagaさん(Argentina、Red Tra Sex)は、セックスワーカーの生活の現状に根ざした効果的なHIV/AIDSプログラムの開発と実施するためにセックスワーカーの権利を完全に承認し、セックスワーカーの組織の可能性を追求することを積極的に要求した。Reynagaさんによると、セックスワーカーの中でのHIV感染を減らすための最近の努力は、人々が本当に何を必要としているかに合致しないプログラムに内在する不適切な資金計画や誤った投資によって妨げられている。証拠によれば、HIVの感染拡大は南アフリカなどでは低くなってきたが、そこではセックスワークは労働として認められ、セックスワーカーの組織は直接的な支援を受けられるとReynagaさんは述べた。たとえば、ブラジルでは、仲間同士のアウトリーチ、セックスワーカーの権利の促進、セックスワーカーを抑圧する法律の廃止などを組み入れた展開方法に基づくプログラムは成功をおさめてきた。 セックスワーカーのなかでのHIV感染拡大を削減するために重要なのは、セックスワークを非犯罪化し、警察の暴力に終止符を打ち、メディアに敏感になってもらう弛まぬ努力によってスティグマと差別と闘うことである。Reynagaさんはヘルスサービス、コンドーム、HIV治療、や人権の欠如のせいで、セックスワーカーは死んでいっているのだと、結論付けた。彼女は、このような条件に対応して、セックスワーカーをリハビリして、職業訓練しようとするプログラムは、HIV感染を止めるという科学的な証拠はないとして、拒否した。その代わり、彼女は、抑圧から解放されることが、セックスワーカーへの効果的な対応を築く最善の道であるとを唱えた。

                                  (Official press release [6 August 2008])

 

メキシコとアメリカ合州国の国境地域でのセックスワーカーの感染率は5%であり、薬物注射をしているセックスワーカーの感染率は12%である。                                (資料C参照)

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若者

多様な若者たちが、自らを肯定され、エネルギーをコミュニティに持ち帰る。今回、ハイレベルなコミットメントはなされなかったものの、今回も若者たちの声は大きかった。 

 (GLOBAL AIDS UPDATE第102号より)

 

障がい

情報、予防、サービスとケアへの平等なアクセスが必要である。性暴力と障がい女性の関係にも注意が必要であり、障害者権利条約も活用されるべきである。

 

ホーム・ベースド・ケア

GROOTS Kenya」の創設者Esthaさんとは、WSF2007inNairobiでも会ったが、HIV/AIDSの当事者や家族の家庭でのケアを支援している。女性が感染する場合だけなく、家族がHIV/AIDSとともに生きている場合も、女性や(特に女の)子どものさまざまな人生の機会が奪われ、患者や子どもなどの家族のケアという重い負担をおわざるを得なくなる。GROOTS Kenyaはこのような女性たちにコミュニティレベルでの支援を提供している。

私たちは、HIV/AIDS感染拡大への反応として国家が構築したような中央集権化はせず、参加的な資金プロセスを分析し、資金メカニズム、透明性を促進する際への可能性と制限、説明責任、グッドガバナンス(良い統治)を吟味した。ケニアでの事例研究を通して、私たちは、地域レベルに進む外部の実態的な資金援助が政治的に偏ったように見えるメカニズムによって導かれたことを吟味した。私たちの分析によって示されたのは、ドナーの展開方針は、いまこそ、コミュニティを基礎とした組織の支援を通してこのようなメカニズムを非政治化することに焦点を当てるべきである。現場の調査や報告書が示すのは、草の根の女性たちの組織は、特にGROOTS KenyaやKenya Home-Based Care Allianceの内部の組織や各地での地域政府のパートナーは、このような構造の透明性と説明責任への直接的な貢献をし始めている。それゆえ、私たちが推薦するのは、成功例や効果的な展開方法の経験を交換しあうネットワーク、仲間同士の学びあい、そしてより大きな資源がこのような組織やパートナーシップの支援に投入されることである。                                        (GROOTS Kenya)

 

●会場ではTB(結核)についての積極的なアドボカシーも展開されていた。

 

Male Circumcision(包茎手術)についてのセッションもあった。

例えば “To Cut or Not to Cut 切るべきか 切らざるべきか”などのタイトルで。

 

会場にて Access to methadoneの配布

おしらせ・・国際AIDS会議に向けての準備の中で、私たちはメキシコでのopioid substitution treatment (OST)へのアクセスについてお知らせする。メキシコ政府を含め、会議主催者は、薬物を使用している会議参加者へメキシコでのOSTへのアクセスを保障して確実に歩み続けてきた。しかし、メキシコの法律や地域の制限によって、ハーム・リダクションのうちでもメサドンのみが支給されるにとどまるであろう。                                         (Global Voice 6/08/2008)

 

公約だけではなく、行動を。今こそ、HIVの資金分野で責任を果たすときである。

AIDSに立ち向かうための政策を実現するための資金の課題は、これまでずっと国際会議で議論の的になってきた。毎年利用できる資源や国際的ドナーは増加しているが、未解決の高感染率という課題を抱える国々の中には、地域的問題がある。

2007年、HIV/AIDSへの資金は総額100億ドルを突破したが、にもかかわらず、UNAIDSは高感染率を改善するならばその4倍の資金が必要であると見積もっている。

Alvaro Bermejo(International Alliance for HIV/AIDS)氏は、「多くの国々では、政府によって投入される資金の量は、人々が自分のポケットから投資しなければならない金額にははるかに及ばない。それは投資者が貧しいからではなく、政府が決定した政策での優先順位が低いからである。」と述べた。

Mark Dybul(United States)氏は、資金について多くのことが語られて、多くの譲歩や国際的合意がなされてきたが、今は各国が健康についての各自の目標を実現すべきときである。「私は、これまでの公約を振り返って検証し、現実の責任を果たすことを始めなければならない」と語った。

 (Global Voice 6/08/2008)

私たちは、G8の指導者たちに、G8が打ち出した2010年までに予防、ケアと治療への普遍的アクセスを達成するという公約を守らせるため圧力をかけ続けなければならない。

はっきり言えば、私は自国の首相、Hon. Stephen Harper氏とその他のG8の指導者に対して、今すぐにアメリカ合州国のブッシュ大統領の経済的貢献と足並みをそろえるよう求める。

強調したいのは、HIV/AIDSにもっとも脆弱性が高い人たちの人権を完全に保障しない限り、感染拡大に終止符を打つことはできないだろう。セックスワーカー、薬物注射使用者、男性と性行為する男性、先住民、女性や女児たちの人権は、世界中の各国の法律や政策改革を通して保護されなければならない。不幸にも、この点については、私たちの先には長い道がある。

今すぐ、すべての政治的、宗教的指導者たちにこれを実現するよう、呼びかけよう。

私は、アメリカ合州国が、HIV/AIDSとともに生きる人たちの渡航制限の撤廃について発表する。ご存知のように、これはIAS(International AIDS Society)の長年の最優先の課題になってきた。

(Closing Session Remarks by Dr. Julio Montaner President, International AIDS Society 2008-2010)

ヘルスケアを基本的人権とするための新しい約束

現在、300万人の人が低・中所得国の抗レトロウィルス薬受け取っている。Gregg Gonsalves (United States、AIDS and Rights Alliance for Southern Africa in Cape Town, South Africa)は、このような私たちの生きているうちでなされた、最大でなは間違っている」と警告する強力な批判があったにもかかわらず、この金字塔がいかに達成されたか述べた。そして、彼は、この先数年で、AIDS治療へのアクセスを維持し拡大するに当たっての運用上の政治上の障壁についても述べた。

 彼の発言の中で、Gonsalves氏は、AIDSへの資金やプログラムに最近攻撃を始めた人たちに、AIDSへの対応が国際保健の分野にもたらした革新ときっかけを認識することを呼びかけた。彼は、このような批判者が「すべての人の健康」を実現するために向けて、AIDSコミュニティに加わることを促した。これは、すべての人々が、必要とする包括的で基礎的なケアを提案するもので、30年前(1978年)、WHO世界保健機関が発表した、アルマ・アタ宣言の主張の骨子をなすものである。この目標は、長年実現されず、Gonsalves氏は、健康を、ごく限られた人のものではなくすべての人の基本的人権とするためAIDS分野で達成されたもののうえにコミュニティ、政府、国連機関、研究者、医療保健従事者、科学者の間での新しい約束が構築されるべきだと促した。

 

s    次回2010年は ウィーンで開催される