wgnrr japan ロゴ
WGNRR
公式ページ(英仏西)
日本語公式ページ
概説
組織
Call For Action
アフリカ宣言
25年史冊子
リプロ系諸資料

すぺーすアライズ
トップページ
お知らせ/案内
情報ライブラリ
Other Links
 

 

●草の根運動の中のリプロダクティブ・ライツ!

南アフリカ・ケープタウンで開催されたWGNRRのアフリカ地域会議で、2008年11月13日、さまざまな組織を代表する35人の女性活動者と社会正義分野での活動者によって下記の宣言文が署名されました。

WGNRR Africa Declaration WGNRR アフリカ 宣言 
草の根運動の中のリプロダクティブ・ライツ!

私たちは、アフリカ地域のWomen’s Global Network for Reproductive Rightsのメンバーです。私たちは、都市や農村部の貧しいコミュニティで生きる女性や女児たちとともに活動する組織や個人です。そのような地域では、紛争や緊急事態が起きていたり、食物、衛生的な水、避難所、薬、基礎的社会サービスがかけているために苦しんでいることが日常であるという遠隔地であったりします。私たちの文脈では、 貧困と非識字は、宗教的原理主義や有害な文化的実践によって悪化していますが、それら双方が、私たちの国の悲惨なリプロダクティブ・ヘルスの状態の原因であり、結果でもあります。

私たちが直面している現実: アフリカでは2500万人の人たちがHIVに感染し、1200万人の子どもたちがAIDSに関連した死のために遺児になり、毎年200万人がAIDSによって死亡し、中でも女性は「感染の女性化」の影響をますます被って、毎年100万人の妊産婦と乳児が死亡しており、アフリカでは女性は16回に1度の割合で出産の際に死亡しており、10代後半の妊娠や家族計画の要求が満たされないことによって経済や教育や保健などの基礎的社会サービスの成長をしのぐ速さで人口が増加しており、貧困と不健康の悪循環から脱出できません。今日、それにしてもアフリカでは、3分の1以下の人しか、リプロダクティブ・ヘルスを利用することはできません。紛争地域でするコンゴ(民)、ダルフール、ソマリア、ジンバブエなどでは、女性や女児に対する性暴力が横行しています。アフリカの大半では、貧しい有色人種の女性たちは、人口管理のため強制的に不妊化させられています。

 そうなのです。これらは、私たちの権利を守る公的な仕組みが保障されているにもかかわらず、今も私たちが直面している現実なのです。アフリカという地域レベルでは、 アフリカ人権憲章やアフリカ子どもの権利と福祉憲章が女性のセクシュアル・リプロダクティブライツの基礎をなす規定があります。さらにこのようなアフリカ地域の条約のほかにも、 前述の権利は6つの国連の主要な人権条約に組み込まれています。それは (1)拷問等禁止条約 (2)女性差別撤廃条約 (CEDAW) (3)人種差別撤廃条約 (4)子どもの権利条約(CRC) (5) 社会権規約 (ICESCR) (6)自由権規約です。2005年には、アフリカ女性の人権議定書 (the protocol)はアフリカ15カ国の政府によって批准されました。2006年には、アフリカでのセクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツについての実施についての政策枠組みであるマプト行動計画はアフリカ連合の首脳によって署名されています。このマプト行動計画は、アフリカ全体が2015年まで包括的なセクシュアル・リプロダクティブヘルスサービスに普遍的にアクセスできるというゴールに向かうよう求めています。

Our analysis: しかし、多くのアフリカの国々では、上記のような国際的な法的文書や人道的な法律の保障は、国レベルの法律には組み込まれていません。また、上記の国際法上の侵害があっても、地方の裁判所に持ち込まれることはほとんどなく、なおさら国際的な裁判所に持ち込まれること は少ない。

 しかし、より緊急で重要な課題は、家庭、学校、村、職場の中で、女性や少女のリプロダクティブ・ライツの侵害が起きていることです。そのような侵害は毎日起きていますが、そのほとんどは政府や裁判所に申告されることはありません。それらの機関が貧しいコミュニティから遠いだけでなく、告発したり、法的サービスのための費用が高すぎることも告発を困難にしています。貧困と非識字は、アフリカで生きる女性や少女たちを自分のリプロダクティブ・ライツを行使し、守るための力を弱めてしまいます。
Our stand: WGNRRのAfricaのメンバーたちが信じていることは、草の根レベルでリプロダクティブ・ライツを効果的に実現するために、貧困、非識字、宗教原理主義、有害な文化的慣習が根本的な変革されるべきということです。反貧困の政策は、リプロダクティブ・ライツの条件を含んでいなければなりません。リプロダクティブ・ライツを実現する活動は、社会正義を要求しなければなりません。できる限り私たちは、能動的に、リプロダクティブ・ライツと社会正義を実現するために、草の根の女性と少女たちを組織化し、教育し、動員します。

国際的なコミュニティからの政策や資源の支援や連帯を求めていますが、自国政府に次のことを要求しています。

利用しやすく、高額の負担を強いられない、リプロダクティブ・セクシュアル・ヘルスサービスを求めます。それには次のものが含まれます。避妊薬/具の供給、1箇所でニーズを満たせる女性センター、大人と若者の権利と(学校内外の)保健教育、安全で合法な人工妊娠中絶、フィスチュラとHIV/AIDSについての予防とリハビリなどです。
HIV陽性女性への強制不妊化を中止し、その被害を被った女性たちに補償をすること。
女性器切除FGMという文化慣習と婚姻内でのレイプを犯罪化すること。
アフリカ中が、Barcelona Bill of Rights[1]を留保なしに批准し、これに伴い、HIV陽性の母親や子どもへの感染を含め、HIV/AIDSとともに生きる人への差別から保護する法律を作ること。
リプロダクティブ・ライツを統合し、女性たちを反貧困の政策、プログラムに巻き込み、女性の経済的能力を開発する生活プロジェクトを支援すること。
今こそ、草の根で、リプロダクティブ・ライツを実現するときです。

[1] A global effort initiated by Women at Barcelona and Mujeres Adelante with the International Women's AIDS Caucus of the International AIDS Society and the International Community of Women Living with HIV/AIDS. The Bill of Rights enumerates the rights specifically of people living with HIV/AIDS and it was signed during the XIV International AIDS Conference in Barcelona, Spain, 11 July 2002.