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●構造的、持続可能で、ジェンダー公正と人権に基づく世界金融・経済危機

2009年05月12日


Women’s Working Group on Financing for Development (WWG on FfD)*開発のための金融についての女性作業部会

A call for structural, sustainable, gender equitable and rights based

responses to the global financial and economic crisis

構造的、持続可能で、ジェンダー公正と人権に基づく世界金融・経済危機への対応についての要望

 

April 27, 2009

 私たち、開発のための金融についての女性作業部会Women’s Working Group on

Financing for Development (WWG on FfD)は、今回の金融・経済危機が世界の開発についての、人権と公正さの原則を反映したマクロ経済と金融枠組みの重要な変化にとっての政治的に重要な機会であると認識しています。

 最近のG20サミットの決定は、国際通貨基金(IMF)を補強するというものでしたが、大きな欠陥があります。その理由は、そのような対策が、失敗した新自由主義に基づく経済政策を延命させ、構造的な不平等を補強し、途上国の負債を増やしてしまうと見込まれるからです。さらに、それは過剰生産と過剰消費の社会モデルに基づく解決策に過ぎず、それは社会の再生産、地球の資源の持続可能性を無視し、多くの人々を排除しています。

 私たちは、今回の危機を招いた国際金融機関(IFIs)に囲い込まれたものではなく、多くの人がはじき出されない包括的で代替的なプロセスを必要としています。その枠組みは国連をまとめ役にしたものであり、国連こそが今日純粋な国際対話と世界的な公共財の統治をするための唯一の場です。そこでは、女性の権利や人権は重視され、大小すべての国が発言権をもっています。

 現在の、モラルハザード(倫理の欠如)、富の不公正な分配、脆弱な人々により不適切な負担を及ぼす二重の基準を上回る解決の追求は、より包括的なアプローチを通してでしか実現できません。

 私たちは、各国政府の首脳にHigh Level Conference on the UN Conference on

the World Financial and Economic Crisis and Its Impact on Development (HLC、国連・金融危機と開発への影響に関するハイレベル会合)に建設的に関わるこの、効果的なフォローアップメカニズムをフォローすることを要望します。

 それゆえ、私たちは、ジェンダー平等、女性の権利と人権とエンパワメントの国際基準とこれを果たす責任と調和する代替的な政策アプローチを含む、現在の危機に対応するための下記の行動を提案します。

 

I. ジェンダー平等と女性の権利を完全に統合する新しい世界開発、経済・金融枠組みでの国連の指導的役割をあるべき位置に戻すこと

1. 特に、社会的、環境的側面を含めた世界のマクロ経済政策の課題に対応しながら、不可欠な、人権に基づいた、開発を支援する経済・金融改革を指導する国連の権威を強化すること。

2. HLCに首脳レベルを参加させて支持し、国際的に合意されたジェンダー平等や女性の人権を完全に統合した、世界の開発、経済・金融統治新規の基本的かつ構造的合意を確実にできるようにすること。この国際的合意には、北京行動綱領、女性差別撤廃条約やILO条約が含まれます。

3. すべての国際的経済組織の責任を確実にし、ジェンダー平等を含め、国際的に合意された目標や基準実現に向けた相互責任を高めつつ、政策空間と国の自律性を尊重したマクロ経済・金融・開発協力改革や運営についての議題を設定する全世界を代表する国連組織を創設すること。

4. 現在継続中の国連改革のプロセスで、新規のジェンダー平等のための機関が開発やマクロ経済・金融統治に不可欠な協力に意味のある参加ができるよう能力と資源を確実にもてるようすること。

II. 世界の金融枠組を、流動性不足、国際収支の不均衡を効果的にマネージし、調整の負担をケア経済に押し付けないような政策を保障するよう、即時に改革をすること。

1. 各政府、特に途上国政府が流動性不足に陥らないよう、さまざまな新たな地域的、国際的資金準備システムを早急に創設すること。

2. 透明性があり、説明責任を果たし、途上国の完全で平等な代表がなされ、女性の権利やその他の市民社会組織が参加できる、国連の経済協力会議を創設すること。

3. 利益創造のためのインセンティブ構造を変化させ、貧困の女性や男性を支援する、健康保険や財源へのアクセスを増やすことなどのプログラムやプロジェクトのための基金を増加させるため、キャピタルゲイン税、環境税、金融取引税を導入を急ぐこと。

4.途上国が抱える不正な債務を帳消しにし、秩序ある透明性のある負債監査のプロセスと検査のメカニズムを、負債国と女性の権利を含む市民社会組織の参加による、国際的な正当性があり拘束力がある枠組みを早急に創設すること。

5. 国連が、途上国の危機の負の影響を扱うことを含めて、ODAの質と量を向上させるという公約を先進国が果たすよう、軸となる役割を取れるよう保障すること。伝統的なODAと新規の金融は、ジェンダー、環境及び人権に基づくものも含めて、いかなる政策的な条件(コンディショナリティ)も課してはならない。

III. 金融部門の不安定さを減らし、透明性と説明責任の規制を通して資本逃避を停止すること。

1. IMFではなく、不安定さを予防し、金融製品の社会的、ジェンダー的、環境的コストを考慮し、資金拠出量に重み付けされない1国1票での決議による、金融セクターを監視する新規の多国間機関を創設すること。

2. 自由市場や倫理の欠如した実践からは離れた、国内、地域、国際的な既成のメカニズムの独立性、信頼性、透明性を強化すること。

3. 格付け方法や格付け機関の統治、透明性を改善し、監視メカニズムを制度化すること。

4. 適切な競争原理と消費者保護政策によって補完される銀行及び金融市場での国の規制手段を創設し強化すること。

IV. 世界的不均衡と社会的・ジェンダー不平等に取り組むことに向けて、貿易と金融を支配する新自由主義政策を放棄すること。

1. 国内政策空間を尊重する、国内、地域、国際的方法と過程を定着させ、特別かつ異なる待遇の原則を保障し、女性の権利やジェンダー平等を含む国際的に合意した基準や公約に整合させること。今回の危機は、多くの国々を世界貿易機関(WTO)体制と失敗したドーハラウンドの、不均衡と格差から開放される機会をもたらします。

2. 関連合意の地球規模または地域的見直しをすることで、二国間及び多国間の貿易協定から失われた国内政策空間を取り戻すこと。サービスの貿易{ぼうえき}に関する一般協定 (GATS) や自由貿易協定(FTAs)

の、金融取引における貿易自由化についての必須条項は悪影響をもたらす主要な原因の一つであり、女性を信用取引から排除することを後押ししてきました。それゆえこのような条項はただちに停止され、なくさなければなりません。

3. 農作物業を商品先物市場から除外し、人々の生活と食物への権利を守る方向で農作物の取引を改革すること。監視体制を強化し、市場価格のリスク管理の技術と成果の報告によって、すべての小規模生産者を金融的投機から保護すること。

4. 世界金融危機の実体経済への影響を緩和するために不可欠な貿易のミックスや投資政策技術についての途上国の能力を強化すること。先進国は、世界の貿易システムにおける非対称性を悪化させる補助金や調達活動を、景気刺激策として使用すべきではありません。

5. 中央銀行当局は、景気対策政策などを用いて、価格安定と開発目標を均衡させなければならない。ミクロ経済と金融セクターのギャップを埋めるため、資産の乏しい女性たち、小規模農業従事者、全うな暮らしや食糧への権利を求める貧しい人が利用できる金融資源を拡大するという視点での開発目標にしたがって、信用配分を合理的にしなければなりません。

6. 海外直接投資(FDI)と多国籍企業の活動が、持続可能な環境、社会的保護、ジェンダー平等、人権や労働者の権利や人々の生活と調和することを確実にできるよう、規制すること。社内取引の文脈での租税回避防止に取り組むよう標準的な報告方法を設立し、タックスヘイブンを閉鎖するより強力な国際合意を採択できるようにすること。

V. 危機への対応における、また、開発戦略やマクロ経済政策を再デザインする際の、社会再生産の意義を認識し評価すること。

1. 途上国が危機を乗り越えられるように支援する、マクロ経済的自動安定化装置や社会保障システムを創造し強化すること。このようなシステムがなければ、結局は女性の無償労働が安定化装置として搾取され、女性が背負う負担が一方的に増えてしまいます。

2. 単なる物理的インフラへの投資ではなく、社会的インフラへの投資の優先と、一回きりの補助金を超えて、ジェンダー公正な仕事の創造、社会サービス提供、人権の枠組みでの社会的保護に向けての政策を採ること。

3. 刺激策が、危機のせいで仕事を失い、または、小規模事業を維持するために追加的支援を必要としている女性たちのためのマイクロ金融に焦点を当てるようにすること。さらに、政府主導の計画は、資産がない人、特に農業に従事する貧しい女性たちが利用できるものでなければなりません。

4. 金融刺激策にジェンダー予算を実行し、国の女性機構と危機への対応に関わるすべての方策にかかわる女性団体の参加とコンサルテーションを保障すること。

 

長期的に必要なこと

1. 他の行動の中で、そしてそれらの行動によって、マクロ経済政策とジェンダー平等の目標の間の連関を創造し、社会の誘因の構造を変更し、提供とケアの責任が国、市場、家計、女男間で分担されるようにするすること。

2. ジェンダーによる賃金格差をなくし、生活賃金とまっとうな仕事を促進する政策を採ること。それによって、公式・非公式の労働者の生産性とすべての世代とジェンダー化されたケアを含む、完全に機能する社会のために必要とされるサービスへの貢献を認識すること。

3. 社会再生産の価値を制度化し、マクロ経済政策立案との関係を築くため、時間の使用も含めて国の所得勘定や労働力統計において、有償労働だけでなく無償労働も視野に入れた指標を開発し実用化すること。

4. 社会保障分野での公共投資を拡大し、これに逆行する民営化を食い止めること。民営化は女性の負担を増やし、女性たちの経済的・社会的権利の享受を蝕みます。

5. ジェンダー責任予算を含めた幅広い視野で、参加メカニズムを通じて、効率的で、効果的で、透明性があり、説明責任を果たせる公共金融運営のシステムと実践を創造すること。

 

 

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