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●アフリカでの、世界のレズビアンとの出会い

2008年11月19日

写真つきの記事はすぺーすアライズの下記のアドレスからご覧になれます。

http://www12.ocn.ne.jp/~allies/lesta.pdf

 昨年(2008年)11月14日から17日に開催された、AWID(Association for Women’s Rights in Development、開発での女性の権利実現のための連合)の第11回国際フォーラムに参加しました。このAWID国際フォーラムは、途上国の開発が大きな世界的関心の的になった1970年代から、3年に1度開催され、毎回世界中から幅広い女性活動者が集結しています。前回2005年はタイ・バンコクでした。今回は、南アフリカ・ケープタウンで、 日本からは片道30時間ほどかかりました。

 今回のフォーラムには、世界中の144カ国から、およそ2000人。全体のテーマは「The Power of Movements運動の力」で、その中で女性運動を強化する方法、断片化を克服する方法と他の運動とのつながりを強化し同盟を拡張する方法でした。

 4日間、毎日の日程は、午前中にあるテーマについて全体会で話し合い、その後は、幅広い選択ができるワークショップでした。1000人が参加する全体会では、レバノンの組織「Meem」のネイディーンさんが基調演説者の一人でした。レスビアンと女性運動の補完関係についてのすばらしい演説は参加者の拍手喝采を浴びました。

 この会議に参加する前から、ILGA(The International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Association 世界中でLGBTIの人たちの権利を実現するために活動している組織)とも連絡を取り、フォーラム会場でも何人かと会うことができました。ILGAから参加した人たちは、LBTIの人たちが、いろいろな女性運動やネットワークにちゃんと含まれるかどうかを確認し、もしそうなっていないならば、いろいろな女性団体にそうなるように働きかけることを目的にしていました。ILGAのロゴ入りTシャツを着たり、またセッションの中でLBTIのことが話題になるよう積極的に発言していました。初日のランチのときには、ILGAの会員が集まって、各国の現状やこのフォーラムでのあり方について意見交換をしました。

女性への暴力に反対する

加害者を追求して正義を

囚われの女たちを自由に

 フォーラムの2日目には、フォーラム会場から州庁舎に向けてデモ行進をしました。参加者は約1000人、「女性に対する暴力を終わらせよう」「加害者の不処罰をやめさせよう」がデモ全体のテーマでした。全体的に同性愛に厳しいアフリカの中で、南アフリカでは同性婚が認められていますが、法律での権利保障とは裏腹に、実際には同性愛嫌悪犯罪が後を絶ちません。デモのために実行委員会が用意したプラカードには、女性に対する暴力と加害者を放置する政策に抗議するテーマが書かれていました。その中に、2007年、南アフリカ・ジョハネスバーグでレズビアン活動者で、HIVポジティブの活動をしてしたSizakheleさんとSzlomeさんがレイプ、拷問を受けて殺害された事件で、加害者が複数いるにも関わらず、そのうちの一人が自殺を図ったからといって、捜査を打ち切ってしまったことへの抗議がありました。また、そのほかにも南アフリカで殺害されたレズビアンの刑事手続きで、加害者は保釈されてしまい、その上、重要証人が脅迫されていて裁判が進まないという事件や、同じく南アフリカでレズビアンカップルが殺害され、犯人も特定されているのに、加害者は釈放されて刑事裁判もそのまま終わりそうな事件への抗議のプラカードがありました。

 南アフリカ以外のアフリカ地域では、同性婚の保障がないだけでなく、同性愛に対して法律や政府による抑圧が厳しく、ウガンダなどでは同性愛行為に対して無期懲役の処罰を設けていますし、嫌悪犯罪も数え切れないくらい起きています。私たちはこのような、同性愛差別に反対するため、また私たちの仲間が、レズビアンであるということで暴行を受け、殺害されているという事実を忘れてはならないという思いで、デモ行進に参加しました。

 アフリカ・レズビアン連合(Coalition of African Lesbians 通称CAL)の集会にも参加しました。2007年にケニア・ナイロビで開催された、世界社会フォーラム(WSF)に参加したことがあり、LGBTIの人たちのための場所提供を主催したケニアのGALCKのブースを何度も訪れました。その際、アフリカ・レズビアン連合の人たちに出会い、交流をしました。彼女たちは、自国ではレズビアンであることを隠さなければ生命が危ないので、そのブースに来ていることを国で知られないだろうかと心配したり、レズビアン組織には政府やドナーからの資金拠出がなかなか出されないため事務所維持が困難であることや、また自分がレズビアンであることを知られれば迫害される可能性が強いため事務所の利用者が少ないという問題を話してくれました。

 再びアフリカ・レズビアン連合のメンバーたちと会えた会合では、世界各地から100人近い参加者があり、セクシュアル・ライツやセクシュアリティについて広く議論をし、またこれらが現在の女性運動の重要テーマに挙げられていないことが問題であるとの指摘もされました。しかし、会議中、イスラム原理主義と思われる女性から議事妨害もあり、幸い、この事態は収拾されましたが、アラブ圏のレズビアンやILGAの人たちで、このような反対勢力への対応について協力していこうということになったようです。

 その後、イスラム社会でのレズビアンの会合にも参加しました。こちらも100人を超える満員の参加者でした。イスラム社会の中で、レズビアンとしての政治的、社会的困難について語られ、同性愛迫害の実態が語られました。アラブ世界では、LGBT運動はないかのようにみなされてきた節もありますが、この会議では各地でのレズビアンの取り組みが次々に自己紹介され、実際には着実に広がっていることを感じることができました。

 今回の女性運動についての国際会議に出席して、一方では、女性運動の課題の中にレズビアンの課題が適切に位置づけられていないという不満がありますが、どの分科会に行ってもレズビアンと思われる活動者が自分の積極的な活動を紹介しており、さまざまな女性運動の中心にレズビアンがいること、私たちもまたレズビアンの活動者であることにうれしさを感じることができる会議でした。

  帰国後、石打の刑に反対するキャンペーンの主催者で会議で出会ったイランの女性が身柄を拘束されました。一歩会場の外を出ると、変えなければならない世界が広がっていると、改めて思い知りました。

 さて、2008年12月18日には、国連総会で、性的指向と性自認に基づく人権を確認する内容の声明が提出され、日本を含む66カ国が賛同しましたが、その様子は、また、改めて報告します。

          行った人 麻鳥すみえ

               鈴木 ふみ

 

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